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[ 整形外科 ]

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病気のはなし

尾道市立市民病院における、整形外科の病気のはなしをご紹介いたします。
(2010年3月現在)
1.関節疾患

?肩腱板断裂
腱板は上腕骨骨頭に付着し、腕を挙上させるための重要な腱です。50歳を超えると、腱板に変性が生じ、小さい外力で断裂することがあります。薬、注射、リハビリなどで治療を行いますが、痛みが持続し、肩関節の機能が傷害されますと手術を行います。
当院では、約4?程度の切開で腱板を修復する小切開腱板修復術を行ってきましたが、現在、関節鏡を用いて腱板を修復する関節鏡視下腱板修復術に変更しました。従来の方法と比べて筋肉に対する侵襲もより少なく、手術後の痛みも少ない傾向にあります。

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鏡視下腱板修復術                              鏡視下腱板修復術の模式

?変形性肩関節症
肩関節が腱板断裂などにより高度に破壊されて強い痛みや肩関節の機能障害が生じ、時に関節内に血がたまることがあります。症状が強く、日常生活に困る場合には人工肩関節置換術を行います。壊れた上腕骨や肩甲骨関節窩を人工の関節部品に置き換えることで、痛みの軽減を図ります。

?変形性膝関節症
比較的若い人のO脚変形で、膝関節の内側の痛みが強い場合には、脛骨を楔状に骨切りしてつなぎ合わせる高位脛骨骨切り術を行います。高齢で、変形が膝関節全体に及びますと、人工膝関節置換術を行います。大腿骨、脛骨、必要に応じて膝蓋骨の関節部分を人工の関節部品に置き換えますので、術後数日より離床、歩行が可能です。

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高位脛骨骨切り術                         人工膝関節置換術

?変形性股関節症
股関節の痛みが強くて歩行が困難となり、日常生活に支障が生じると、人工股関節置換術を行います。当院では最小侵襲で手術を行っており、傷も7〜10?程度で可能です。術後の脱臼の危険性も少なく、術後数日より離床、歩行が可能です。

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2.脊椎疾患

?腰部脊柱管狭窄症
坐骨神経痛、間歇性跛行が主訴で、MRIで脊柱管の狭窄を認め、薬、ブロック注射などで改善が得られない場合に手術を行います。当院では背中の筋肉をできる限り温存して脊柱管を拡大する方法を選択しています。また、変性すべり症を伴う症例でも小さな傷で脊柱管の拡大と椎体間固定(PLIF)を行い、セクスタントシステムを用いての透視下椎弓根スクリュウによる後側方固定を追加することで、術後早期より離床、歩行が可能です。
?頚髄症、頚椎後縦靱帯骨化症
四肢のしびれ、手指の細かい運動ができない、歩行が困難などの症状があり、MRIで頚椎脊柱管が狭窄して脊髄内に信号異常を認めると手術が必要になります。当院では片開き式椎弓形成術を行い、術後数日より離床、歩行が可能です。

3.手の外科

? 手根管症候群
手首の手根管とよばれる部位で正中神経が靭帯により圧迫されて母指〜中指にしびれが生じます。中年の女性に多い特発性手根管症候群が一般的ですが、透析、関節リウマチ、手首の骨折でも生じます。当院では、内視鏡を用いて手根管を開放する鏡視下手根管開放術を行っております。手関節部に約1〜2?の傷で手術が可能です。
? ばね指
指を曲げる腱(屈筋腱)が指の付け根の腱鞘といわれるトンネルの中で引っかかり(弾発現象)、スムーズな指の動きが妨げられます。一般的には腱鞘内注射を行いますが、症状が持続して痛みを伴う場合には手術を行います。明らかな弾発現象がありますと、注射針で原因となる腱鞘のみを切離する皮下腱鞘切離術が可能となります。メスを用いませんので、翌日より水仕事が可能になります。

4.高齢者の股関節周囲骨折について

 人は、年齢を重ねるにつれて、次第に骨密度が減っていき、骨粗鬆症となります。
 70歳以上では、特に女性は高度の骨粗鬆症になり易く、転んで尻餅をついただけで、容易に股関節周囲を骨折してしまいます。主に大腿骨頚部と呼ばれる部位を骨折します。この部位を骨折すると、歩行できなくなり、寝たきりの原因の一つと言われています。骨折しないように予防することが第一ですが、もし骨折してしまった場合は寝たきり予防のために、手術をお勧めしています。

骨折の予防 
 骨密度維持・改善……栄養のバランスのとれた食事・適度な歩行・骨粗鬆症治療薬など
 転倒予防……筋力強化訓練・室内の環境整備・杖の使用など
 転倒時の衝撃緩和……大転子部保護クッション付パンツなど

骨折時の症状 
 通常骨折した側の股関節が外転外旋位(ガニマタ)になり、痛みで動かせなくなります。しかし、骨折部の転位が無い場合、痛くても歩けることがありますので、
 股関節を捻って痛みがあれば、骨折を疑ってください。

骨折の治療
 保存的治療 元来寝たきりに近い人、全身状態が手術に耐えられない人は、骨折部の痛みがなくなるまで、1〜2ヶ月ベッド上安静にしてもらいます。
 (通常そのまま寝たきりとなります。歩行できるようになることは稀です。)

手術的治療
 大腿骨頚部骨折は内側型と外側型に分かれそれぞれ手術の方法が異なります。
 
 外側型:ほとんどの場合、骨接合術が行われます。プレート固定や髄内釘固定で、手術直後からでも歩行訓練が可能な強固な固定ができます。
 内側型:多くの場合、骨頭や骨折部が血流不全に陥ると予測され(骨折部が転位している時など)、人工骨頭挿入術が行われます。人工骨頭は、術後1週間で歩行訓練が可能となります。骨折の転位が無い場合は、スクリューを用いた骨接合術が行われることがあります。この場合一定期間の加重制限を要し、将来再手術になることもあります。ただし、手術を受けても、リハビリがうまくいかなければ、歩けるようにはなりません。全身状態悪化やリハビリ意欲喪失が起こると、手術しても車椅子になってしまいます。手術とリハビリの両方がうまくいって初めて、成功といえます。
 まずは骨折の予防をしっかりして、もし転倒してしまって痛みがある場合はすみやかに整形外科医を受診してください。

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