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このトピックスは 『不正性器出血について』 です。

尾道市立市民病院では、尾道市民の皆様の健康増進を願い、定期的に“健康”に関するトピックスをWEBで公開しています。  →が記されている医師は異動により、現在は当院に在籍しておりません。

 

不正性器出血について

産婦人科 大村 裕一医師|2009-01-04

 月経以外の出血、いわゆる不正性器出血にはいろいろな原因があります。
あまり心配のいらない性器出血を年齢別に挙げると
a) 性成熟期:?子宮腟部ビランからの出血  ?排卵期出血などの機能性出血
b) 閉経前後:更年期出血
c) 閉経後 :萎縮性腟炎からの出血
年齢と関係なく起こるものとして、子宮頚管ポリープや子宮筋腫による出血などがあります。もちろん疾患自体はあまり心配ないものであっても、症状や出血量などによっては治療を行う場合もあります。
次いで、治療が必要な不正性器出血の代表的なものには?流産、子宮外妊娠など妊娠に関連した産科的な出血、?子宮頸癌、子宮体癌、その他の悪性疾患による婦人科的な出血などがあります。
 
 日頃外来診療をやっていると不正性器出血を心配して受診される方は大勢おられますが、そのほとんどは心配のない原因による出血です。すぐに治療しなければならないケースは決して多くありません。しかし自分で原因を判断するのは無理だと思いますので、不正性器出血があればとりあえず早めに産婦人科を受診するようにしてください。

 最近、生活習慣の欧米化にともない子宮体癌が増加していることが問題になっており、しばしばマスコミにも取り上げられています。中には子宮体癌が閉経後に起こる病気である、あるいは早期から不正性器出血がみられる、と受け取られそうな報道も見られます。しかしこれらはあくまで疫学的な頻度であって、現実には順調に月経がある方が子宮体癌になることもありますし、相当進行するまで子宮出血のない方もあります。そのため子宮体癌を早期発見するためには、たとえ閉経前であっても、不正出血がなくても婦人科検診を受ける必要があります。同様に子宮頸癌に関しても最近は性交出血などの自覚症状で発見されることが少なくなり、多くは婦人科検診で見つかっています。また、定期検診を受けていれば子宮腟部異形成という、子宮頸癌よりも前の段階で発見される可能性も高くなります。
他の病気と同様、産婦人科領域の病気も初期には自覚症状がないことがほとんどです。従って不正性器出血など何か気になる症状がある場合はもちろん、何も症状のない方も定期的に産婦人科検診を受けられることをお勧めします。

 

文責:尾道市立市民病院 産婦人科 大村 裕一医師|2009-01-04
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