尾道市立市民病院における、血管診療センターの検査についてご紹介いたします。(2025年7月現在)

血管診療センターでは、次の5種類の検査を行います。
どの検査も、約1時間程度ですべて終了する予定です。
安全に行うことができますので、気軽に検査を受けてください。
【頚動脈エコー】 超音波を使って、簡便で視覚的に動脈硬化の診断ができる検査です。 頚動脈を調べることによって、全身の動脈硬化の指標となります。 動脈硬化をおこすと血管の壁が厚くなったり、硬くなったりしますが、その様子を画像で簡単に確認することができます。 検査は仰向けに寝た状態で枕をはずし、首の部分にゼリーを塗り、プローブをあてて、検査をします。
【血圧・脈波測定検査】 動脈硬化の程度を調べる検査です。両手首・両手足の血圧を測定して、ABIとCAVIという値を求めます。 ABI: 足の動脈の詰まり具合を調べる検査です。 足の血圧は正常な人では手と同じくらいか少し高いのですが、足の動脈が詰まっていると足の血圧は低くなりますので、手と足の血圧の比を出して判定します。 CAVI: 動脈の硬さを調べる検査です。 動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たしていますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化した時の血管のふくらみ具合を見ることによって、動脈の硬さがわかります。俗に言う「血管年齢」もわかります。 検査は仰向けに寝た状態で、両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。痛みは伴いません。
【運動負荷心電図】 安静時に記録した心電図が正常でも、心臓を養う血管(冠状動脈)にまったく異常がないとはいえません。 狭心症のように、安静時の心電図には明らかな異常がなくても、心臓に一定の負担を与えた心電図では異常が発見されることもあります。 このような心電図を負荷心電図といいます。 負荷には薬を使用したり、運動をしてもらう方法がありますが、当センターでは運動負荷心電図検査を行います。 また、運動にはトレッドミル(ルームランナーのようなものの上を走る)、エルゴメーター(自転車をこぐ)、マスター二段階テスト(階段を上り下りする)の方法がありますが、当センターでは、マスター二段階テストを行います。 これは、二段の階段を数分間上り下りしてもらい、その前後の心電図を記録するものです。
【中心血圧】
血液が心臓から押し出された直後の大動脈起始部の血圧の値のことです。中心血圧は動脈硬化症の発症・進展に関連が深いとされています。高血圧の治療において、上腕の血圧の降下よりも中心血圧の降下がより重要な指標であるともされています。
【FMD検査】
FMD検査はカフで腕を締め、血管の拡張を超音波で見る検査です。動脈硬化は血管内皮機能の低下から引き起こされると言われており、腕を締めたあと緩めると、血流が血管内皮を刺激し、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を放出します。
この一酸化窒素(NO)がどれだけ放出されたかを、カフを締める前と後での血管の太さの拡張度(%)で評価しています。
この検査は血管内皮機能を非侵襲的に調べることができるため、動脈硬化に進展する前段階である、血管内皮細胞の機能障害が起こる段階でその傾向を把握することが可能であり、動脈硬化の予防・診断に活用できます。 |